秋雨&時雨のブログ擬き

限界童貞の徒然なるままに綴った日常譚。

マイ・ファースト・ソープランド

そうだ、ソープに行こう。JRの広告のような気軽さで、僕は自転車を漕ぎだした。少し雨。でも生い茂る緑が並木通りの両側を彩り、内心は初夏の清々しい風で膨らんでいた。股間も膨らんでいた。

時は遡る。その日は日曜日で、まだ中間試験まで時間もあった。親族からの「特別給付金」が午前中に届き、その額に驚いた。大学生でも受け取れば嬉しいと思うくらいの額だった。つまり、その額は1回くらいならソープに行けるくらいの額だった。

実は人生で一度もソープに行ったことのなかった僕は、決意した。「ソープでセカンド童貞を捨てよう」

セカンド童貞。この概念は、つまり「人生で一度しかセックスをしていない男」を指す。そう、男とは本質的に童貞なのだ。数学的帰納法的に増え続ける頭の序数は重ねたセックスの回数を表し、続く童貞の二文字は変わらずに女体を求め続けるあくなき探究心を意味する。中高生の頃もっと奥へ奥へと焦がれたモザイクの向こう側の景色を知ってもなお、そこに夢を抱き大志のままに冒険し続けるこの想いを、誰が否定できるだろうか。

時は冒頭に戻る。僕は自転車を飛ばし、僕が今住んでいる地域では最も高級なソープに降り立った。普段は面倒なキャッチで溢れている裏通りも、日曜の真昼間、それも小雨が降っているとあっては、影一つすら見かけなかった。そのかわりに路上ではしゃぐ子供達や、ランチを楽しもうと店を物色する老夫婦などのほんわかとした光景が広がっていたのだ。若干の罪悪感を抱いたが、3秒後には性欲を塗りたくってなかったことにした。

店に入ろうと階段を上っていると、おもむろに扉が開いた。「いらっしゃいませ!」!大柄な、ゴリラという形容がよく似合う男性が出迎えてくれた。おそらくカメラの類が付いていたのだろう。少し驚きつつも、その元気さと恭しさに感心しながら案内されていった。

1万数千円を入浴料として払い、女の子のリストを手渡される。「やせたBからCカップくらいでタバコ無しタトゥー無しお願いします、できれば20代中盤くらいで」いつも通りのオーダーを唱える。「適合者」が一名いたようだ。待合室へと案内された。

待合室でニュースを見ていると、コロナ関係の討論番組が流されていた。そこにいたのはおなじみの専門家である。一応日本国を憂う民として、この国の将来に想いを馳せていると、すぐに呼び出された。

エレベーター前で膝をついてお出迎えしてくれる先ほどのゴリラを横目に、中に入る。すると、そこにはちょうどいい胸の大きさをした嬢がいた。「こんにちは」まずは初手のあいさつをする。すると、向こうも明るく返してくれた。

エレベーターを降り、手を繋ぎながら個室へと入る。麦茶をついでくれた。コップ片手雑談しつつ、服を脱がせてもらう。

まずはキスから始まった。しっかりと指導を受けていて好感が持てる。キスをしながら押し倒され、ベッドに横たわった。そのまま全身リップを受けていると、首筋の快感に悶えながら、僕の肉体は臨戦態勢へと移行していった。

下へ下へと下り、ついに局部へと唇は至った。丁寧に先端を舐め、そして口の中へ中へと含まれていく。以前の嬢と比べると遥かに快感が強い。これが高級店の教育というものなのか。

しかし......。本気のモードになかなか移行しないのだ。少し困っている表情の嬢に、「あの、僕乳首が快感なので舐めながら手コキしてもらえますか......あ、一応右の方が気持ちいいんですけど」と伝えると、「わかりました~!自分で性感帯わかってるのいいですね笑」と意外にも高評価。「乳首小さいのに感じちゃうんですね~」と言われながら右の乳首を舐られる。その快感で、いよいよ僕の陰茎は完全に勃起した。

フェラされつつ、嬢がわきにおいてあったゴムを取り出す。「ソープは2回戦までOKで、多分若いから80分で2回いけるよね?笑」と煽られる。ああ勿論、余裕だ。自慢じゃないが、こちとら中学生のときに24時間オナニー耐久をやって10回を達成しているのだ。勿論相手は歴戦の風俗嬢。この無敵コンビなら2回戦は正直余裕だろう。

ゴムを口でつけてもらう。鮮やかなお手並みに、まるで遊園地のマジシャンを見ているかのような気分になった。ますます期待に胸が高鳴る。

そして、最初は騎乗位で挿入。うん、いい。膣の上皮は重層扁平上皮なのだが、そのもちもち感覚で包まれ、人間味のある温かさもある。キツキツというわけにはいかないが、このくらいのもちもち感がとてもよい。嬢の動きに合わせて腰を振っていく。喘ぎ声も演技感がなく、非常に快適だ。教育の重要さをここでも感じた。

さて、前回の風俗では失敗した対面座位をやってみたいと思い伝えてみることに。すると、「いいよー笑」と快諾。嬢の背中に腕を通し、自分の体に引き寄せる。胸が自分の肋骨で感じられるくらいに密着し、そのまま腰を振る。まるでサッカーのリフティングのように、嬢の腰を自分の鼠径部の上でバウンドさせるかのように、一定のリズムを刻む。強めに打ち付けつつ、嬢の胸の感触を味わう。すると向こうからキスを。勿論こちらも応戦し、そのままリズミカルに対面座位の密着を堪能していた。しかしまだまだ射精感はなかった。そこで、「次に正常位で」「はーい」そのまま嬢を解放し、ベッドに横たわらせる。そして嬢の両脇に腕をつき、膝をついたプランクの体制になって腰を振っていた。なかなか難しく、途中で疲れたので今度は騎乗位に戻してもらう。

「そろそろでそうです」と伝えると、「じゃあここでベッドプレイおわろっか」とのこと。そのままビートにのって2人で腰を打ち付けあっていると、嬢の股間から暖かい液体が出ていることに気づいた。うわほんとに濡れるんだなあと感慨に浸りつつ、最後は思い切り奥に打ち付けて射精。「どくどくしてる...」という言葉に、すでに2回目の勃起の気配を感じつついったんお風呂に入ることに。

体を洗ってもらい、今度はこちらが湯舟につかり嬢が体を洗う。その間に趣味の話などをしつつ、今度はこちらのアナルを洗う流れに。ここで、ソープによくある「椅子」に座ることになる。介護現場でも使われているらしいその椅子の上で、僕は嬢の指の快感に絶叫していた。「あ”あ”ーー!!!」「敏感だね笑」

そしていよいよマットプレイ。よくプールで人が上に乗れるような、空気を入れて膨らませる遊び道具があると思う。それと全く同じようなものの上に、まずはうつぶせになって寝転がった。嬢が胸や股間を使って僕の全身にローションを塗りたくっていく。性的快感というよりはマッサージのような快感。僕はリラックスしていた。

しかし、事態は急変した。嬢がアナルに触りだすと、あまりの快感にマットの上でビクンビクンと悶えて絶叫し、僕は打ち上げられた魚のようにのたうちまわっていた。「ああああああヤバいですうう」と告げると、「すぐ慣れる!みんな最初はそんなもんだよ!」と謎の励ましを受けつつ、続行。相変わらず叫んでいる僕に「じゃあ今回は軽めにしとくね、また今度来た時に開発しようね笑」と。もう絶対お前は指名しないぞと胸に誓う僕を横目に、嬢はローションを追加して全身で僕に塗りたくっていった。

そしてあおむけになるよう言われ、ローション手コキ。乳首をチンポの先端にぐりぐりするの、絵面はエロいけど快感はないっすね。あまり反応しない僕のチンポを見て、嬢は「やっぱ乳首なんだ」といいながら右乳首を舐め、左乳首を舐め、そうしていると再びフル勃起状態に。「流石大学生!元気!」!と笑いつつ、嬢はゴムを取り出し、またもや口で装着し、ぬるぬるローションに誘導されるようにするりと挿入した。

マットの上での騎乗位はなかなかスリリングだった。油断すると体が横転して僕のチンポはそのままバキリと折れるんじゃないかとびくびくしつつ、腰を振る。そのまま対面座位に移行しようとするも、滑ってうまくいかない。結局騎乗位のまま乳首を舐められつつ、最後は「おなかに出してもいいですか?」とお願いし、腹部に思い切りぶっかけ射精した。「2回目なのにいっぱいでてる~」というセリフに感動しつつ、風呂に浸かって嬢と一緒に全身のローションを洗い流した。

最後になかなか壮絶な身の上話をききつつ、その日は延長などもせず普通に終了した。

総額3万5千円。前回のセックスに比べるとあまりに幸福度が高く、射精後のけだるい満足感と若干の罪悪感に酔いしれつつ、自転車をのろのろ漕いで帰った。

 

また行きたいですね。